|
仙台市の南東部、四郎丸地区の北よりの四郎丸仙台市営住宅、名取川の堤防に近い場所にあります。光西寺(真言宗)が管理する仏堂で宮城県の文化財に指定されています。本尊の十一面観世音菩薩は慈覚大師がこの地に来たとき、1本の木から3体の観音像を造り一体を、この落合観音堂に、残りの2体は長町と若林区六郷日辺に安置しました。
観音堂の規模は、方三間、屋根入母屋造で茅葺、周囲に廻縁を巡らせた、素木造の簡素な小堂となっています。
棟札によれば、もとは字袋原にありましたが、寛永4年(1627)に現在地に移されたとなっています。
この落合観音堂にはカニの絵馬が奉納されているのを見ることができます。言い伝えによれば昔、袋原に観音像が安置されていたとき、名取川が大洪水をおこしまし観音像が流されてしまいました。ところが、観音像は落合の舟場でたくさんのカニに守られお寺に安置されました。以来人々はカニへの感謝として絵馬を奉納するようになり、現在でもこの観音様を信仰する人々はカニを食べないといわれています。
この観音像は33年に一度ご開帳され、古くから縁結びに御利益があるといわれています。
仙台市指定有形民俗文化財に指定されている「中村景貞乗馬図(なかむらかげさだじょうばず)」「宇治川先陣図(うじがわせんじんず)」「曳馬図(ひきうまず)」「金銅板押出三十塔(こんどうばんおしだしさんじゅうのとう)」の絵馬も奉納されています。
|