原 阿佐緒 記念館
原阿佐緒は、明治21年(1888)、宮城県黒川郡宮床村(現在の大和町宮床)の出身で、その美貌と才能をうたわれたアララギ派の女流歌人です。
この原阿佐緒記念館は、阿佐緒の生家を改修し日記や歌稿をはじめ阿佐緒が描いた日本画や交流のあった文人らの書簡など多くの資料を常設展示して平成2年に開館しました。この生家は明治16年、阿佐緒の祖父と父によって建てられたと推定され、明治時代の伝統的な土蔵造りを擬洋風建築に応用したもので、漆喰仕上げの壁に畳敷きの和洋折裏の建物をそのまま残しています。阿佐緒の部屋もそのままの形で残されており、彼女の人生の足跡を辿ることができます。
期間限定で企画展や特別展が催されることがあります。

正面玄関 国道側からの建物の姿
正面玄関入り口 裏庭側、国道からみた建物の姿

原阿佐緒について
短歌を明星派の与謝野晶子に師事し、のちにアラギ派のや斎藤茂吉、島木赤彦の指導を受けた彼女は、九條武子、柳原白蓮と共に三閨秀歌人(さんけいしゅうかじん)としてその美貌と才能は高く評価されました。しかし東北大学教授との 恋愛問題で長い間不遇な立場にありました。波乱に満ちた人生を過ごし昭和44年2月、82歳で永眠しました。
彼女の詠む歌は純粋で繊細な女性の感覚に満ちたものが多く、世間からも次第に評価されるようになりました。

原阿佐緒の文学的功績の顕彰を目的として全国応募による短歌のコンテスト、「原阿佐緒賞」を毎年選定し表彰しています。応募は未発表の短歌であれば内容は自由で応募は1人2首までとなっており出詠料は1000円(中・高生は無料)となっています。例年1月末で応募は締め切られ6月中旬ころに町内で表彰式が行われます。
原阿佐緒
原阿佐緒

原阿佐緒 略歴年表
明治21年6月1日 宮床村(現在の黒川郡大和町宮床)の素封家の一人娘に生まれる
明治34年 宮城県立高等女学校(現在の県立第一女子高等学校)に入学
明治37年 母と共に上京し、日本女子美術学校日本画科に入学
同校英語教師の小原要逸と知り合う
明治40年 仙台において『東北文芸』が創刊され、参加する長男千秋誕生
明治41年 小原要逸、長男千秋、母しげと共に帰郷小原とは間もなく離別
明治42年 宮城女学校絵画教師となる
大正 2年 『青鞜』に歌を発表。アララギに入会する。処女歌集『涙痕』を出版
大正 3年 洋画家の庄司勇氏と結婚
大正 4年 次男保美誕生
大正 5年 第二歌集『白木槿』を出版
大正 6年 石原純と知り合う。島木赤彦に師事
大正10年 第三歌集『死をみつめて』を出版
大正11年 保田海岸に『靉日荘』が完成し、石原純と移り住む
昭和 3年 洋画家の庄司勇氏と結婚
昭和36年 仙台市大年寺山に第一・第二歌碑建立
昭和44年 2月21日、心不全により死去

その他
原阿佐緒の歌碑 記念館入口からみた庭園
原阿佐緒 歌碑 庭園
昭和36年に建てられた記念館前にある歌碑、他に仙台市大年寺山の野草園前と七つ森湖畔公園にも建てられています。 正面玄関前から裏庭にかけて手入れの行きとどいた庭園があり、季節の花や植物を楽しめます。ベンチも設置されています。

アクセスマップ
原 阿佐緒 記念館 アクセスマップ

ポケットの中の物語 原阿佐緒記念館

原阿佐緒 記念館 観光情報データ

住 所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字八坊原19-2
お問合せ : 022−346−2925
開館時間 : 9:00〜16:00
休館日 : 月曜日(祝日・振替休日の場合は閉館)
        12月28日〜1月4日
入館料 : 大人210円 大学生160円 
        中学生・高校生 110円 小学生以下無料
        20名様以上から2割引
駐車場 : 有り(無料 国道側)
トイレ  : 有り(記念館内)
交 通  : 東北自動車道大和ICより4号線経由、
        七つ森湖畔公園方面へ車で約20分


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