第二十一番〜第三十三番札所


第二十一番札所   金秀山瑞雲寺観音堂

境内西にある観音堂には如意輪観世音が安置され、慈覚大師の作といわれる。如意輪観音は如意宝珠をもち、あらゆる人々の
願いをかなえるので知られ、古くから仙台では安産の守護観音として知られている。
                                               (仙台の三十三観音より)

仙台三十三観音第二十一番札所の観音堂があり、如意輪観音が安置され安産の守護観音といわれる。
                                               (若林の散歩手帖より)


瑞雲寺観音堂
瑞雲寺観音堂 札所石柱は堂前にあります
観音堂内部
観音堂の内部 本尊を微かに拝することができます

しんまい巡礼記
観音堂は、三間四方の宝形屋根の建物で、白い小石が前面に敷かれており、好ましく感じられました。

巡礼御詠歌
いのりぬる心にかなふしるべとて しるしの雲は空にたなびく



金秀山瑞雲寺観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区連坊2丁目1の10
【ご本尊】           如意輪観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっているが、覗き窓より微かに拝観できる。
【ご扁額】           真観堂
【ご詠歌額】          なし





第二十二番札所   福現山保寿寺

観音はこの寺の本堂に安置されており、聖観音で製作は比較的新しいものである。
                                                (仙台の三十三観音より)

保寿寺は仙台の三十三観音の第二十二番札所で、聖観音が本堂内に祀ってある。
                                                (若林の散歩手帖より)

ご本尊は正観音で、仙台巡礼三十三所の第十九番札所(一説には第二十二番札所とも)ですが、過去に火災で焼失し現在、
代わりの観音さんが安置されています。                       (荒町界隈物語より)


第二十二番札所 石柱
山門前に建つ第二十二番札所の石柱
保寿寺 本堂
聖観音が安置されている福現寺本堂

しんまい巡礼記
新幹線橋脚のすぐ傍にあり、何の変哲もない小さなお寺です。

巡礼御詠歌
ことぶきを保つのみかはさいはいも いのるみぎりにあらはれやせん



金秀山瑞雲寺観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区連坊小路108
【ご本尊】           聖観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     本堂内にあり、外部からの拝観はできない。
【ご扁額】           福現山
【ご詠歌額】          あり





第二十三番札所   五峰山松音寺観音堂

ここの観音堂は山門脇にあり、如意輪観音を祀っている。この観音は今はないもと遍照寺に属していた。 
                                                 (仙台の三十三観音より)

山門から入ると右手に観音堂がある。如意輪観音立像が安置されている。「遍くてらす」とあるように、もと真言宗恵日山遍照寺に
あったもので、同寺が廃寺となったため、明治二十二年(一八八九)に松音寺に移転遷座したものである。
                                                 (若林の散歩手帖より)


松音寺 参道と山門 松音寺 観音堂 本尊の如意輪観世音菩薩

しんまい巡礼記
観音堂は、二間四方宝形屋根のRC造の白い建物です。敷地も広く心もゆったりする感じがしました。

巡礼御詠歌
へだてじなあまね遍 くてらす山のはに いづる朝日のめぐむゆくへは



五峰山松音寺観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区新寺4丁目6の28
【ご本尊】           如意輪観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっているが、覗き窓より微かに拝観できる。
【ご扁額】           なし
【ご詠歌額】          あり





第二十四番札所   国分尼寺

本尊は聖観音で気品のある一メートル余りの木彫で恵心僧都の作と伝えている。
                                               (仙台の三十三観音より)

本尊は一メートル余の木造正観音菩薩立像で、恵心僧都も作と伝えられている。藩祖政宗が仙台築城後は、国分寺の
諸堂と共に尼寺も造営修理をし、寺禄の寄進等があって、寺観が整えられたという。
                                               (若林の散歩手帖より)


国分尼寺の山門
国分尼寺の山門
国分尼寺本堂
本尊が安置されている国分尼寺本堂

しんまい巡礼記
本堂は今RC造で改築中で、山門を曳家していました。工事は長くかかるらしいので今年の末にもう一度巡礼しますので、
写真については乞うご期待。

追記
2010年5月現在、写真の通り新本堂も完成しています。

巡礼御詠歌
よろづ代もうごかじとのみまもりゆく 国に名だかき山の尼寺



国分尼寺データ

【所在地】           仙台市若林区白萩町33の26
【ご本尊】           聖観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     本堂にあり、外部からの拝観はできない。
【ご扁額】           国分尼寺
【ご詠歌額】          なし





第二十五番札所   陸奥国分寺観音堂

ここの観音堂は国分寺と薬師堂の中間にあり、朱塗りの堂宇は札所で唯一のものである。伊達六代藩主宗村が母の長松院の
意志を受け継ぎ二間四方の堂をつくり、ここに准胝観音を安置した。現在、この観音は宝物館にうつされている。
准胝観音は延命・治病・除災をいのることでしられている。
                                               (仙台の三十三観音より)

准胝観音堂は宝形造で屋根は瓦葺、正面扉は上半格子、下半桟唐戸となっており、上部には「准胝堂」と大書した扁額があり
東向きに建っている。堂内の家形厨子の中の仏石碑は安山岩の自然岩で、石台の上に安置され、床下から床上に抜けて
建っている。この碑は長松院が、焼失した国分寺十八伽藍の地に、十八の神仏名を石に刻ませ樹立させたものの一基である。
                                               (若林の散歩手帖より)


石柱 陸奥国分寺観音堂 額
薬師堂公園に建つ二十五番札所の石柱 陸奥国分寺 准胝観音堂 観音堂に掲げられているご扁額

しんまい巡礼記
今まで来たかった寺院ですが、アシがないためのびのびになっており、今回念願を果たせました。観音堂の左手にあった
如意輪観音浮彫りの石碑が気に入って、携帯電話の待受け画面に貼り付けました。 


巡礼御詠歌
いさぎよやおきて正しくよしあしを 分けゆく国の道芝のつゆ



陸奥国分寺観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区木ノ下2丁目8の28
【ご本尊】           准胝観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっている。厨子のみ拝観できる。
【ご扁額】           准胝堂
【ご詠歌額】          あり





第二十六番札所   両全院観音堂

修験の天台宗の両全院がこの地にあったが明治以降廃寺となり、ここに八坂神社がうつされて、以後境内に観音堂だけが
再建したものである。ここに大番士茂木氏がおり、その先祖尊崇で安置したという。かっては慈覚大師の作と伝える本木観音で
ある聖観音が安置されていたが、明治十五年の火災で羅災してしまい、今の堂宇・本尊は明治末のものである。
                                               (仙台の三十三観音より)

伝承によると観音は慈覚大師の作で、一本の木から三観音を造り、根木(もとき)(本木)は日辺で両全院、中木は袋原落合の
大善院、末木(うらき)は根岸の常楽院に安置したといわれる。これを名取の三観音といっている。またこの地に住んだ大番士
茂木氏の先祖が正観音を安置したから茂木観音といったともいわれる。明治十五年(一八八二)十一月の火災で全焼し、
今の堂宇・本尊は明治末期のものである。
寛保元年(一七四一)仙台藩士佐藤信要の著「封内名蹟志」には次のように記されている。
株製(もとき)観音 在日辺村。落合観音の仏像の遺株である。故に郷俗根木観音と称す。運慶の作也。此地甘瓜を産す。
其味ひ甘美にして他方の瓜産に勝れり観音像の作者は、慈覚大師、運慶、行基僧正と書により異なっている。
                                               (若林の散歩手帖より)


石柱 両全院観音堂 観音堂御詠歌額
二十六番札所 石柱 中央が観音堂です 観音堂御詠歌額

しんまい巡礼記
敷地内には三社があり、真ん中が観音堂で、右が弁才天宮、左が八坂神社・日野宮八幡神社です。

巡礼御詠歌
見てもしれつもりし罪はあさひかげ てらすひかげの雪のきゆるを



両全院観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区日辺字田中1
【ご本尊】           聖観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっている。覗き窓より厨子のみが微かに拝観できる。
【ご扁額】           なし
【ご詠歌額】          あり





第二十七番札所   千手山満蔵寺観音堂

ここは大善院と同じく茅葺き屋根(現在はカラー鉄板葺き)の観音堂があり、仙台三十三観音堂では数少ない素朴な姿を見せて
くれる。本尊は千手千眼観音である。
                                               (仙台の三十三観音より)

山門を入ると右に第二十七番観音堂がある。もと青葉山にあった千体地蔵尊の一部を飯田に遷し祀ったが、明治初年本寺に
遷座し、堂内に千手観音・地蔵が同座安置されている。
                                               (若林の散歩手帖より)


参道 二十七番札所の石柱 満蔵寺観音堂
参道(といっても殆どない・・・) 二十七番札所の石柱 満蔵寺観音堂

しんまい巡礼記
ここに来る道路が三十三札所の中で一番狭くまた、写真撮影時にも車が来ると中止しなければならないほどでしたが、実は
三回も巡礼しました。以前は茅葺屋根でしたが、今は鉄板屋根になっています。


巡礼御詠歌
ゆたかにて人も飯田やかずかずの ほとけの宝蔵に満つれば



満蔵寺観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区上飯田3丁目15の1
【ご本尊】           千手観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     音堂の扉は閉まっている。覗き窓より厨子のみが微かに拝観できる。
【ご扁額】           なし
【ご詠歌額】          なし





第二十八番札所   円浄寺観音堂

最初は天台宗修験の寺で明治に入って廃寺となり、寺は寺小路の円光寺に統合されて観音堂だけが残された。
ここの観音堂には聖観音が安置されており、近くの住民によって保護されてきた。二十八番から三十番までの札所は
今泉にあり、急速な宅地化で観音堂を探すのに一苦労するところになっている。
                                               (仙台の三十三観音より)

昔、田の中のどこからともなく観音像が飛来し、この地点から奇しくも泉が湧いたので此処を観音田と呼び、今泉の地名が
起こったと伝えられている。仙台三十三観音のうち三観音が今泉にある。堂には、聖観音が安置されている。
                                               (若林の散歩手帖より)


円浄寺観音堂
円浄寺観音堂
観音堂内部
観音堂の内部の様子です

しんまい巡礼記
ここも敷地内に三社あり、観音堂は右側です。地域の人々により、きれいに掃き清められていました。駐車場はありません。

巡礼御詠歌
すみわたる心の月のまどかにて 浄きひかりはわれにこそあれ

参道 石柱 観音堂御詠歌額
左が参道で、右は市道です 二十八番札所の石柱 観音堂御詠歌額

円浄寺観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区今泉2丁目9
【ご本尊】           聖観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっているが、覗き窓より微かに拝観できる。
【ご扁額】           なし
【ご詠歌額】          あり





第二十九番札所   今泉山祐善寺観音堂

山門を入って左手に観音堂がある。十一面観音を安置しており、鎌倉時代の作と伝えている。この祐善寺を中心に六郷地区に
五観音があるのは、この地域の人々の信仰心を物語っているようだ。
                                               (仙台の三十三観音より)

境内西側に建っている観音堂には、鎌倉時代の作と伝えられる十一面観音の坐像が安置されている。
                                               (若林の散歩手帖より)


二十九番札所の石柱 祐善寺観音堂 観音堂内部
二十九番札所の石柱 祐善寺観音堂 観音堂内部

しんまい巡礼記
二十八番札所のすぐ西側にあり、観音堂は二間四方宝形瓦屋根です。

巡礼御詠歌
まうで来る人につけても館の名の ありしむかしぞ思ひやらるる



祐善寺観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区今泉2丁目11の13
【ご本尊】           十一面観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっている。覗き窓より厨子のみ拝観できる
【ご扁額】           なし
【ご詠歌額】          あり





第三十番札所   高福院観音堂

かって、ここには天台宗高福院がおかれていたが、廃寺となり、遠藤崇氏宅の中に観音堂を残すのみとなった。ここの観音堂は
聖観音で、古くから遠藤氏をはじめとして、この地区の住民によって保護が加えられた。
                                               (仙台の三十三観音より)

祐善寺の南二百メートルにある遠藤崇氏の宅地内に観音堂がある。天台宗の高福院という寺院があったとのことであるが、
廃寺となっており由緒も寺跡も詳かでない。堂には、伝承の飛観音といわれる聖観音が安置されている。最近観音堂周辺を
整備し、道添いに入口を設けている。 
                                               (若林の散歩手帖より)


三十番札所の石柱 高福院観音堂 観音堂内部
三十番札所の石柱 高福院観音堂 観音堂内部

しんまい巡礼記
二十九番札所の南側の細い路地を行くとこの観音堂があります。遠藤様の敷地内で、駐車車両も多くあまり良い写真に
なりませんでした。駐車場はありません。


巡礼御詠歌
いにしへもさぞなありなん今泉 わきてながるる末が末まで



高福院観音堂データ

【所在地】           仙台市若林区今泉2丁目17の75
【ご本尊】           聖観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっているが、覗き窓より微かに拝観できる
【ご扁額】           なし
【ご詠歌額】          あり





第三十一番札所   無畏山大善院観音堂(落合観音堂)

広瀬・名取の両河川が落ち合う、つまり合流するので、落合の名がついたものと思われる。ここに落合観音堂がある。城下仙台
から名取川をこえた地にある観音堂はここだけで、かっては名取郡北方に属し、一番遠い観音堂であった。
                                               (仙台の三十三観音より)

堂は素木造で三間四方、入母屋造、茅葺、平入りで前面に向拝、四周に廻縁をめぐらしている。寛永四年(一六二七)の建築で、
江戸初期の雄健で素朴な特徴があるからと昭和四十四年宮城県有形文化財に指定されている。本尊は木造十一面観音で、
高さ一・八六メートルの立像で慈覚大師の作と伝えられている。本尊は入母屋造の厨子に納められている。
                                               (太白の散歩手帖より)


大善院観音堂
大善院観音堂
観音堂内
観音堂の内部の様子です

しんまい巡礼記
ここは、敷地内にある板碑が有名で、また、観音様を名取川の洪水より救ったとのことで堂には蟹の絵馬が飾られていました。
唯一茅葺屋根の観音堂です。


巡礼御詠歌
汲みて知れ心の水も落合の 波間をわけて深きめぐみは

三十一番札所石柱 観音堂外部の扁額 観音堂内の扁額
三十一番札所の石柱 観音堂外部の扁額 観音堂内の扁額

大善院観音堂(落合観音堂)データ

【所在地】           仙台市太白区字落合59
【ご本尊】           十一面観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっているが、覗き窓より微かに拝観できる。
【ご扁額】           補陀岸
【ご詠歌額】          なし





第三十二番札所   常蔵院観音堂

観音堂は三間四面で、一メートル余りの勢至観音立像を祀っている。慈覚大師の作といわれ、承和二年(八三五)にこの地を
訪れた時に、堂と観音像を安置したのがはじまりとされる。地元の方々は「十八夜観音」の名称で尊崇しているが、これは十八日
の夜に月待を行うので有名である。他方一説では成就院から常楽院になったものとされる。また、末木の観音とも別名いわれる。
                                               (仙台の三十三観音より)

観音堂は三間四面の堂宇で、本尊は聖観音である。もと名取郡に属していた六郷日辺・中田落・長町根岸の各地に、
本木観音・中木観音・末木観音と称された観音があって、これを名取三観音と称していた。この三観音の由緒について、
文化八年(一八一一)の著「嚢塵埃捨録」に記されている。
                                              (太白の散歩手帖より)

勢至観音像は立像で、台座を含めても一・二メートル、像は原材料がカツラで、かなり虫食いが見られる。室町時代末の作と
思われ、昭和二十五年に一部修造が加えられている。仙台三十三札所の中でも素朴で、素木造りながら落ち着いた力作の
仏像である。観音堂は、三間四方の堂宇で、周りに欄干が施され、屋根は宝形造りで頂きに擬宝珠がある。スレートと隅は
銅板で葺いており、落着いた建物である。
                                              (宮城の観音信仰より)

常蔵院観音堂
常蔵院観音堂 石柱も堂の前にあります
扁額と御詠歌額
扁額と御詠歌額

しんまい巡礼記
地下鉄長町一丁目駅近くのサニーランドの背後にあり、ここも常に駐車車両がいっぱいで写真がいまいちです。駐車場は
ありません。


巡礼御詠歌
こころにもかかるくまなき夕日かげ たかねの岸に光さしすふ



常蔵院観音堂データ

【所在地】           仙台市太白区長町1丁目7の34
【ご本尊】           勢至観世音菩薩であるが、木村孝文氏によると聖観世音菩薩
【ご本尊開帳状況】     観音堂の扉は閉まっているが、覗き窓より厨子のみ拝観できる
【ご扁額】           観音堂
【ご詠歌額】          あり





第三十三番札所   経部山大蔵寺観音堂

向山の鹿落(ししおち)にあるので鹿落観音堂として知られ、霊屋橋から向山に登りきった右側に、この堂宇はひっそりと立って
いる。大蔵寺は江戸時代には観音堂もあり、人々の信仰を集めていたが、明治二十一年に廃寺が決まり昌伝庵に合併された。
現在は観音堂だけが残されており、三間四面で東面して立っている。本尊は聖観音で、慈覚大師の作とも伝えるが真偽は不明で
あり、また、一説には青葉崎で仏道を広めた満海上人の護持仏とも伝える。
                                              (仙台の三十三観音より)

本尊は正観音で、像は約四十センチで、経ケ峯で修法して満海上人の護持仏であったという。
                                              (太白の散歩手帖より)

仙台三十三番の札所鹿落観音は正宗公の仙台開府以前経ケ峰の黒沼にあり満海上人がお守りしていた。二代忠宗のとき
この地にうつされたもので別名うどんげ観音ともよばれ御利益あらたかな観音として人々の信仰があつい。ご本尊は聖観音
菩薩をおまつりしてある。久しく住む人もなく荒れはてていたものを工藤妙参尼により復興された由緒ふかい札所である。
                                              (観音堂設置の由来書より)

鹿落観音堂
鹿落観音堂とも呼ばれる三十三番札所の大蔵寺観音堂
本尊
鹿落観音本尊の聖観音菩薩立像

しんまい巡礼記
観音堂は、常に開いており、聖観音菩薩も拝観でき、写真撮影も可能である。なお、尼僧に聞いたところ、他の観音の観音講は
十八日であるが、ここは毎月十七日だそうです。ご朱印も手書きで頭が下がる思いがしました。駐車場はありません。

石柱 旧石柱 朱印
参道脇に建つ三十三番札所の石柱 昭和10年に建てられたという旧石柱 手書きの朱印

巡礼御詠歌
こみすぢみつかくれば今ものちの世も やすくこえぢの末ぞたのしき



大蔵寺観音堂データ

【所在地】           仙台市太白区向山1丁目1の3
【ご本尊】           観音堂に入ることは可能で、ご本尊は拝観できる
【ご扁額】           南無観世音
【ご詠歌額】          あり





あとがき

仙臺三十三観音札所巡りを思いたったのは2007年6月6日。仕事の合間をぬって6月7日より巡礼を開始し6月17日に
一巡しましたが、写真の不備や記憶があやふやで、その後多い札所では三度巡ることになり、これも観音様のお導きと
思っております。元来、社寺仏閣や石碑石仏に興味があり三十三観音札所のいくつかも以前から知っており、いつかは
巡礼と思っておりましたが意外と早く一巡できました。
観音札所を集約すると、聖(正)観世音菩薩を安置している所が二十か所、千手観世音菩薩が五か所、十一面観世音
菩薩が四か所、如意輪観世音菩薩が二か所、准胝観世音菩薩と勢至観世音菩薩(木村孝文氏によると聖観世音菩薩の
間違いとか)が各々一か所であり、いわゆる七観音のうち不空羂索観音と馬頭観音は含まれてはいません。
地区別では、青葉区十か所、宮城野区三か所、若林区十七か所、太白区三か所で若林区に多いのは昔八塚と
言っていた新寺小路・榴岡や連坊小路・荒町や今泉などに集中しているせいです。
この巡礼で感じたのは、地域の方々がその保存や祭礼に尽力していることや、寺域にない観音堂は敷地が狭いうえに
駐車車両が多く、良いアングルでの写真が無理だったことや、運転を始めて一年半のほぼ初心者ドライバーのため
狭い道路の通行や写真撮影のための一時停車に苦労したことです。各札所の巡礼記に駐車場のない札所を
記入しておきます。
また、何か所かでご朱印を頂いたのですが、善入院を除いて快く押印して頂き、特に三十三番札所の通称鹿落観音では、ご丁寧に手書きのご朱印まで頂きました。この記載をもって感謝いたします。ご朱印収集については今後の課題
としてとっておきたいと思っておりますので改めて公開します。

最後に「延命十句観音経」を披露します。
延命(えんめ)十句(じゅつく)観音経(かんのんぎょう)
観世音(かんぜおん)   南無仏(なむぶつ)                   観世音 仏に寄与します
与仏有因(よぶつゆーいん)  与仏(よぶつ)有縁(うーえん)          仏と因あって 仏と縁あって
仏法僧縁(ぶっぽうそうえん)  常楽(じょうらく)我浄(がじょう)        仏僧と縁あって 常に楽しく我れ浄く
朝念(ちょうねん)観世音(かんぜおん) 暮念(ぼねん)観世音(かんぜおん) 朝に観世音を念じ 暮れに観世音を念し
念念(ねんねん)従心起(じゅしんき) 念念(ねんねん)不離心(ふりしん)   念々心より起き 念々心より離れません

また、浅学のため、案内については次の文献より引用しました。

■参考資料
 「宮城の観音信仰」   吉岡一男著
 「仙台の三十三観音」 吉岡一男著
 「青葉の散歩手帖、若林の散歩手帖、宮城野の散歩手帖、太白の散歩手帖」木村孝文著
 「杜の散歩道」 八幡地区まちづくり協議会発行
 「荒町界隈物語」 若林区荒町市民センター発行

                                                        
しんまい0421


付録資料
三十三観音でも頻出の七観音についてまとめました。 詳しくはこちらからご覧ください。



第一〜第十番札所へ  第十一〜第二十番札所へ  付録〜七観音について



   宮城の旅メイン |
Copyright (C) MiyaginoTabi Co., Ltd. All Rights Reserved since 2006
powered by Ksystem